ブログ VOICE~心のとびら

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2014年06月13日

またね ③

 暦が6月に変わったとたん、東京も梅雨の季節に入った。そして、今年もまたこの時期を迎えた。

大学時代からの友人が旅立って、丸3年が過ぎた。走馬灯のように、彼女との思い出が浮かんでは流れて行く。学生の頃はあまり親しいお付き合いではなかったけれど、卒業してから点で繋がり、2009年2月から急に濃いお付き合いが始まった。それから約2年間は、ブランクを一気に埋めるように、飽きる事なく語り合った。昼夜を問わず時間ができると語り合った。この頃の私は、彼女にたくさん助けていただいた。笑い、時には叱られ、励まされ、口論もし、お互い涙を流しながら話した事も何度もあった。殆どが電話での会話だったけれど、私にとってはこの2年間の彼女との会話は、大切な人生の軸の一部となった。

2歳年下の彼女は生粋の江戸っ子気質で「 すっとこどっこいの、おたんこなす! ! 」と電話の向こうから唾を飛ばす勢いで、私を叱り飛ばしたものだ。貴重な2年間をいただいたと、今は感謝の気持ちで胸がいっぱいになる。

                   

一昨日は、ご主人と京都在住の同級生の友人3人との、彼女を偲ぶ会だった。今年は、かつて、彼女とご主人の散歩コースだった日本橋から浅草を散策した。雨にも降られず、梅雨時にしては爽やかな風が吹いて、心地の良い散策となった。日本橋では老舗巡りをして浅草へ移動し、ご夫妻の行きつけだった鰻の老舗・前川さんで献杯して、鰻の蒲焼きに舌鼓を打った。建物は隅田川沿いなので、お座敷からは駒形橋、キリンビールの金色のきんとん雲、スカイツリーが一望でき、時折通る観光船にちょっぴり心が躍ったりもした。

                   


そう、貴女はご主人とこんなふうな絆の紡ぎ方をしていたんですね。決して派手ではなく、地に足をつけて、お互い真正面からきちんと向かい合っていたんですね。ステキな思い出を、たくさんご主人に残したのが伝わってきました。イイご夫婦だったのね。


                   

気が付くと辺りはすっかり黄昏れてスカイツリーにライトが灯り、時々、雲に隠れそうになったりして幻想的な風景に様変わりした。その後、京都の友人の宿がある日本橋に戻り、何だか別れ難く、終電近くまでお茶をしながら話しに花を咲かせた。「 来年の偲ぶ会は隅田川クルーズにしよう!」と盛り上がり、握手をして解散した。ご主人は、自宅までの彼女との思い出の散歩コースを、歩いて帰られた。去年よりはほんの少し軽い足取りで。


Glück 〜 ♪      貴女も、どこかで観ていたのかしら ?  いっぱい、いっぱい、ありがとうね。              

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