ブログ VOICE~心のとびら

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2014年05月19日

奇跡のりんご

 先日、友人のお心遣いでりんごが届いた。それは,絶対に不可能と言われた無農薬りんごの栽培に成功し、" 奇跡のりんご " として大きな話題を集めた青森のりんご農家・木村秋則さんのりんごである。ダンボールの蓋を開けると、りんごの甘酸っぱい良い香りが、プーンと強く立ち上った。中には挨拶文が入っており、皮ごとかぶりつくよう書かれてあった。

                   

早速、皮ごとかぶりついた。途端にジューシーな果汁が、口の中に飛び散るようにして広がった。染み渡っていく。身体の細胞にじわーっと染み渡っていく、と鮮烈に感じた。そして酸味と程よい加減の甘さに感激。美味しい! 地球の過酷なまでの大自然のパワーを受けて育ったりんごを食べていると、医食同源という言葉の意味をまるで体感できたかのようだ。ふっと、このりんごに出会えて、ひょっとして自分にも奇跡が起こるかもしれない、と思ってしまう程。

りんごを育てられた木村さんと手配してくれた友人に、深く感謝しました。


Glück     ♡♡            りんごパワーで、本当に奇跡が起こるかも ?!

2014年05月16日

お勉強会 vol.5

 一昨日は、楽しく気持ちよく歌えるように . . . をコンセプトにした、楽曲を使ったヴォイス・トレーニング講座『 Casa  di  Musica 』の5回目のミニコンサート( お勉強会 )だった。この期の曲目は、「 Caro  mio  ben 」「カッチーニ  Ave  Maria 」を原語で、「 愛の賛歌 」を日本語で歌っていただいた。初めてシャンソンに挑戦していただいた。会場は、日暮里の音楽サロン、La・ら・ら。

愛の賛歌は日本語なので、リアルな単語に、初めは皆さん少々とまどっていらっしゃった。でも練習を重ねて音楽が身体の中に入り、呼吸・発声のコントロールにも意識を向けられるようになると、それぞれの思いが声に乗って風のように流れ始めた。

                       

5期目ともなると、皆さんの身体の使い方もかなり変化され、発せられる声も明らかに進歩を感じられた。身体のコントロールのバランスが良くなってくると感情も乗せやすくなり、表現が豊かになってくる。そういう意味でもこの期にシャンソンを歌っていただいたのは、良いタイミングだったと思う。殆どの方がお一人ででも歌われ、皆さん緊張されながらも、ご自身の心の色をかなり表に出していただけた。日常の生活では日々さまざまな事があり、時には自己の色を消さなければならない事もある。呼吸法と発声法を上手に利用して歌う事は、歌が上達するだけでなく心の解放と軌道修正、そして進歩にも繋がると、指導させていただく者としてあらためて確認し実感できた時間でした。

                   

最後は、恒例のお弁当をいただきながらの親睦会。今回も、美濃吉さんの季節のお弁当に舌鼓を打ちながら、お話が盛り上がりとても楽しい会になりました。皆さん、ありがとうございました。私も、皆さんからたくさんの学びをいただきました。感謝です!


☆ 5月28日( 水 ) より、vol. 6 が始まります。詳細は、近々HPで発表いたしますので、ご興味をお持ちの方はご覧になってください。


Glück  ♫ 〜 ♡    ピアニストの原先生、いつもありがとうございます。                    

2014年05月08日

いのちの洗濯

 連休は、ここ数年毎年お邪魔している、千葉県成東在住の高校時代からの友人宅へ。一泊お世話になり成東、香取、成田と車で一緒に巡った。初日はお天気にも恵まれ、九十九里浜のすぐ側でバーベキュー・パーティーを楽しんだ。初めましてのお顔もあったけれど、一緒に美味しいものを食べていると、あっという間に子供もも大人も垣根が取り払われて、和やかにうち解けてしまう。

                   

 今回初めて展望台に登ってみた。5階の高さから見渡す青い大空と雄大な大海原、太平洋は、見ているだけで心が「 無 」になる。5月の風は穏やかで心地が良い。思わず頬がゆるんでしまう。

                                          

そして隣の苺ハウスで季節最後の苺摘みをし、その場でほおばり、気がついたら心は無邪気に弾んでいた。

                   

夜は成田の映画館へ。途中の車窓からは、田植えが終わったばかりの水田の向こうに、夕日がキラキラと輝いて見えた。レイトショーで観た映画は、今話題の「 テルマエ・ロマエ 」。久しぶりに、お腹を抱えて笑った。その晩は疲れ果て、すぐに夢の中。とても健康的で人間らしい一日でした。久しく忘れていた感覚でした。

                   


翌日は午前中、雨模様だったけれど、緑濃い森の中に佇む香取神宮へ。ここは初めて訪れた。雨のお陰で参拝者も少なく、新緑に囲まれた内参道はまるで緑のトンネルで、とても神秘的な空気に包まれていた。マイナスイオン効果で、心も身体も浄化された感じ。参拝して大鳥居をくぐり抜けたら雨もほぼ上がり、小腹がすいたので、外参道のお団子屋さんで一休み。

                     

帰りは成田空港の側を通ったので、展望台でまたまた一休み。着陸専用の滑走路が目の前だったので、次々と降りて来る飛行機に、しばらくは飽きずに歓声をあげ続けた。

                   

この二日間は童心に戻る事ができ、充実した時間をすごせました。まさに、いのちの洗濯でした。感謝です。


Glück !!  時には大人の遠足もイイね ! カメちゃん、ありがと〜 ♪♪

2014年04月04日

人生の軸 ②

人生の軸 ①の続き

 彼女の硬く閉ざされた心と身体からは、必死の叫び声が聴こえた。私は彼女の熱い声を受け取った。もう一度、気持ち良く歌いたい! 舞台で自由に自分を解放したい! そのために、発声と呼吸法を身につけ直したい! それをやらないと、死んでも死に切れない! と。そして彼女は指導機関を辞職して、楽器としての身体を作り直す作業に専念、集中する覚悟を私に伝えてくれた。大人になって覚悟をするのは、大きな勇気とエネルギーが必要と感じる。その時、彼女も私と同じで、人生の軸を呼吸法・発声法で捉えている事が解った。それならば、私の引き出しで良ければ全部あげる、と私も覚悟を持って真剣に答えた。心から、もう一度舞台で思いっきり輝いてほしいと思った。彼女なら本当の自分の姿で、以前よりももっと輝けると感じた。

そして、1年3ヶ月前から改造の作業が始まった。彼女も、歌い手として決して若い年齢ではないので、時間がない。プロの歌い手になるには、普通5年から10年かかる作業を約1年で何とかしなくては。そうだ、年が明けて私が関係している春のコンサートを目標にしよう。それに出演してもらおう。私の中にプランが出来上がった。

毎回のレッスンで変化、進化をする前提で時間が流れて行った。熟成を味わう時間もなく、どんどん進めて行く作業。彼女の不安と苛立ち、葛藤がひしひしと伝わって来る。でも淡々と、進めて行く作業は続いた。今も理由は解らないけれど、私の心は常に同じ未来を見つめ続けていた。

季節の移り変わりと共に、彼女は大きな変身を繰り返して行った。奇跡的な脱皮と進化の繰り返し。そして年は変わり、本番は近づいて来た。

年齢を重ねるにつれ、新しい挑戦や自己改革は大きなエネルギーを要し、心身に負担がかかる事も多いと感じる。若い頃は失敗してもすぐに切り替え、起き上がれるエネルギーが大きいが、年齢が高くなるにつれプライドの壁も厚くなるし、様々なしがらみもあり難しい事が多いと感じる。そんな中、本番前日までテンションを落とさずに頑張り続けた彼女の、ストイックなまでに歌に対する真摯な姿勢と努力に頭が下がり、感動した。

そして、本番。舞台の上には、軸が定まり決してぶれない彼女がいた。お客様をまっすぐに見つめ、まるで光を発するように歌っていた。超えた! もう大丈夫。感動と安堵が混ざり合った時間だった。

                                                          

この本番で、彼女の前に立ちはだかっていた厚い大きな壁は、粉々に壊れ、風に吹き飛ばされて消えた。本番の最中にも大きく成長する事ができると、よく言われる。本番という異常な緊張感の中では、自分の中の眠っているエネルギーが出て来る事が多い。このエネルギーを活かすか否かは、本人次第なのである。彼女は本物のコントロールの力で、完全にエネルギーを活かす事ができた。だから本番を終えてから、階段を5段も10段も一気に駆け上がる勢いで、今も進化を続けている。現在は、変化、進化したコントロールを身体に染み込ませるためのレッスンに変わって来た。

お疲れ様です。そして、ありがとう。私を信じてついて来てくださり、感謝いたします。私も、貴女の歌に対する真摯な姿勢、努力からたくさんの学びをいただきました。それは、私の大切な宝物となりました。貴女の覚悟ある生き方を、尊敬いたします。

蛹は蝶々に大変身しました。二度と、蛹に戻る事はありませんから。これからは自信を持って、自由に歌ってください。もう、十分と思うまで歌い続けてください。


貴女の輝く人生に乾杯!


Glück ☆☆☆〜   日本人離れした美声!  貴女の舞台、すっごく楽しみにしてるよ〜 ♡

2014年04月03日

人生の軸 ①

 春爛漫。今年も桜の季節を迎えた。4月に入り、ちょっと一息つける時間ができた。振り返ってみると、昨年からずっと走って来た。この3ヶ月は、特に濃い時間が続いた。同時に複数の事柄を形にする作業の連続だった。今、既に大きな山を幾つか越えた感じがある。

                                                         

その中の一つ、Hさんの人生の転換期に関わらせていただいた事は、私の人生にとって貴重な経験と大切な引き出しをいただく事に繋がった。

彼女とは大学院の時からのお付き合いである。同じ門下の同級生。といっても、私は30代の初めに学生に戻り、彼女は私よりも8歳年下である。声種は私と同じメゾ・ソプラノ。当時、私は発声のコントロールが不安定でコンプレックスを抱え、常に自分の本当のフォームとコントロールの仕方を探していた。心の奥では、それが見つからないと自分の人生も定まらないと思っている自分がいた。発声のコントロールが習得できたら、肩の力を抜いて、伸び伸びと自分らしく、まっすぐ前を向いて生きていける!と確信している自分がいた。だから、その頃の自分の歌と心の表面は、メッキ状態と自覚していた。私はいつの頃からか無意識のところで、人生の軸を呼吸法・発声法で捉えていた。

反対に学生の頃の彼女は、自然で伸びやかにバランス良く歌っていた。イイ声だった。私達は年齢の差は大きかったけれど、良いお友達付き合いをし、舞台の仕事も一緒にした。

大学院を出てからはそれぞれの道を進み、自然と疎遠になった。私の呼吸法と発声法を探す旅は続き、30代後半の留学時代でやっと答えを得る事ができた。それも2年の留学期間のうち、日本に帰国する1ヶ月前である。これで、帰国しても歌を辞めないで済むと、安堵したのを記憶している。帰国して、やっと掴んだコントロールを身体に染み込ませ、自由に使いこなせるようになったのは、50代になってから。途中の40代は、プライベートとお仕事の両方で色々な事が重なり、回り道の連続だった。何と時間のかかった事か。でもそのお陰で今はたくさんの引き出しができて、大分、生徒さんの悩みの意味を受け止める事ができるようになったと思う。全て必然というが正にその通りと、ありがたさと共にしみじみ思う。

5年前に人生の大きなリセットがあり、その後ふと思い立ち、Hさんに電話をした。ブランクはすぐに縮まり、お付き合いは再開した。そして彼女の苦難の10年間を知った。あんなにバランス良くイイ声で伸びやかに歌っていたのが、どうしちゃったの? 私は信じられなかった。何があったの? 本人も理由は解らないと。だんだんと発声のバランスが崩れ、歌う事が苦しくなってしまったそうだ。歌の世界の人間模様に身を置く事に、違和感を感じる事が多くなったそうだ。体調を崩す事も多くなったと。

病院で検査をしたが、原因が判らない。原因を探すための様々な勉強もしたけれど、大きな変化は得られなかった。それでも指導機関での仕事は続けながら、できる範囲でのコンサートにも出演したが、とうとう自分は歌い手としての才能、器がないのでは、と諦めと折り合いを付ける方向に向かって行ったそうだ。そんな時の再会だった。   

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